Selasa, 26 November 2019

スター・ウォーズのドラマに登場した愛らしい「ベビーヨーダ」は、いったいなぜ騒がれるのか? - WIRED.jp

「Disney+」で放映が始まったスター・ウォーズのドラマシリーズ「ザ・マンダロリアン」に登場するやいなや、その愛らしさで大きな話題になったベビーヨーダ。しかし、ここにきて反発の声が上がり始めている。いったいなぜなのか?

WIRED(US)

BabyYoda

©CAPITAL PICTURES/AMANAIMAGES

[編註:本文の後半に「ザ・マンダロリアン」のエピソード1と2のネタバレにつながる描写が含まれています。日本では未公開(12月26日から「ディズニーデラックス」で配信予定)のためご注意ください]

いつものことだが、ネットで何かが人気を博すと、必ずそれを冷笑する輩が現れる。こうした皮肉な態度は、やがて理性的で真面目な声として受け止められるようになる。要するに“大人”だと思われるのだ。

今回の発端はベビーヨーダだった。配信が始まったばかりのDisney+の実写ドラマシリーズ「ザ・マンダロリアン」に出てくるこの小さなエイリアンがネットで話題になると、次の瞬間にはもう、いい年をしたオタクたちが「ヨーダのことを何もわかっていない連中が騒ぎ立てている」と言い出したのだ。

現在の大騒ぎの背景には、ベビーヨーダの熱心なファンだけでなく、同じだけの否定的な言説が存在する。この天使のように愛らしい緑の生き物のミームだけでなく、つぶらな瞳の赤ちゃんエイリアンが今後どのような役割を果たしていくかについて、さまざまな予想が飛び交ったのだ。

その一方で、ネットでお決まりの否定的な見方が出てくるのも自然な流れだったのだろう。ベビーヨーダに対する反対運動は、すでに始まっている。ただ、その罠に落ちるという過ちを犯してはならない。

もちろん、ベビーヨーダの人気や、そもそもなぜここにきて突然ヨーダの“赤ちゃん版”が登場したのか、懐疑的になるべき理由はいくらでもある。まず思い浮かぶのはマーケティングだ。ホリデーシーズン目前のいまの時期に、おもちゃがあれば絶対に欲しくなりそうな可愛いエイリアンが誕生したのは、どう考えても偶然ではないだろう。

かわいさを売りにしたキャラクターへの反感

この先、ベビーヨーダのグッズが大量に発売されることは確実である。ただひとつ言っておきたいのは、スター・ウォーズのキャラクターには、どれでもTシャツやキーホルダーなどが存在する。かわいかろうがそうでなかろうが、スター・ウォーズに登場するというだけで、あらゆる種類のグッズが用意されるのだ。

また、ディズニーから公式グッズが出ていなければ、“ブラックマーケット”で探せばいいだけだ。すでにベビーヨーダのぬいぐるみやTシャツなどがネットに出回っていることが確認されている

はるか彼方の銀河系では、これまでも定期的にかわいさを売りにしたキャラクターが登場してきた。

カエルとウサギを混ぜ合わせたようなジャー・ジャー・ビンクスは、ストーリー展開という意味では正直必要ない。一方、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』のポーグは、ロケ地の自然環境に対応するために苦肉の策として誕生したキャラクターであることはご存知だろうか。撮影が行われた孤島のスケリッグ・マイケル島にはツノメドリという海鳥が数多く生息しており、これをすべてデジタル処理で消すことを避けるためにポーグが考え出されたのだ。

実は『ジェダイの帰還』に登場した元祖“かわいいキャラ”とでも呼ぶべきイウォークを嫌うファンは常に一定数いる。ただ、その理由となると奇妙なものが多く、例えばよく聞くのは、あのふわふわでだらしない感じがオリジナル三部作のシリアスな雰囲気を損ねるからだという。

ストームトルーパーを何体も倒し、エンドアの帝国軍の基地の破壊工作に功績のあったイォークたちだが、優柔不断ですぐに分解されてしまうC3-POよりさらに役に立たないという評価は不当ではないだろうか。もしくは、誰もが愛さずにはいられないはずのキャラクターだからこそ、逆にどうしても好きになれないのかもしれない。

みんな大好きなベビーヨーダ

とにかく、ベビーヨーダがイォークのようにわけのわからない理由で嫌われるのは避けなければならない。それは、スター・ウォーズにとってはマイナスでしかないからだ。

“誰もが好きなもの”を、みんなに好かれているからというだけの理由で条件反射的に批判するのは、まったくもって感じの悪い行為である。それは、大人たちが10代の若者の熱意が何かを汚していると勝手に決めつけて、そのために若者たちの間で流行しているものに難癖をつけるのと、たいして変わらない。

ヨーダは「怒りは憎しみに、憎しみは苦痛へ」と言っていたではないか。みんな、ベビーヨーダが大好きだ。そうなる運命なのだ。巨匠ヴェルナー・ヘルツォークですら、ベビーヨーダを見て涙を流したのである(冗談ではなく本当の話だ)。しかしだからと言って、ディズニーがベビーヨーダをあんなにかわいくしたのはおかしいと非難するのは、料理に塩を入れたのは間違っているとシェフに詰め寄るようなものだろう。

ここからは「ザ・マンダロリアン」のエピソード1と2をまだ見ていない人にはネタバレになるが、ベビーヨーダは卵のような丸い形の乗り物で空中を漂ったり、そこでスヤスヤと眠ったりする。カエルも食べていた。

もちろん、フォースを操るシーンもある。主人公のマンダロリアンが巨大な獣の卵を取ったために襲われたとき、フォースでその獣を空中に浮かべてマンダロリアンを助けてやるのだ(ただ、マンダロリアンが卵を盗んだことを考えれば、フォースの力でそれを助けるのが正しいかどうかは難しいところだが)。

はるか彼方の銀河系で最も愛らしい生き物

とにかくベビーヨーダの可愛さは別格で、これは制作チームの能力がいかに高いかを証明している。なぜなら、絶対に外さないはずの要素を寄せ集めても、必ずしもそれが成功するとは限らないからだ。

この話をすると、2016年のスーパーボウルで流れたマウンテンデューのCMに出てきた「パピーモンキーベイビー(Puppymonkeybaby)」を思い浮かべる人もいるのではないだろうか。子犬と猿と赤ん坊という、ネットでは必ずうけるはずのネタを組み合わせてつくられた悪夢のような生命体である。

ベビーヨーダは違う。ディズニーが“かわいらしさ”のレシピを総動員してつくり上げたスーパーベビーで、間違いなくはるか彼方の銀河系で最も愛らしい生き物だ。コーギーと子猿とグレムリンを合わせたような無邪気な顔は、記憶のなかにあるヨーダの賢者の眼差しとも相まって、キャラクターとしてもはや最強と言っていい。マーベルのグルートもかなわないかもしれない。

つまり、ベビーヨーダをめぐる熱狂は起こるべくして起きたのである。これは科学であり、逆らう必要はない。愛してやらねばいかん。騒ぎを楽しむのは間違ってはおらん──といったところだ。

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2019-11-26 09:00:00Z
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